変形性膝関節症のリハビリと予防

変形性膝関節症のリハビリとマッサージ

すべての移動に車椅子を利用して日々を過ごされている練馬区在住の訪問マッサージを受けられている患者様で、ご本人のご希望として「身近を少しでも自分で歩きたいので、歩いたり、階段を上る練習をしたい」とのご依頼でした。


「昔はよく身体を使う仕事をしていた」とのお言葉通り、しっかりとした足腰をされておりましたが、膝の伸びが悪いことと、膝の痛みが原因で、介助をしても歩行は難しい状態にありました。


リハビリ (立ち上がり訓練、立位保持訓練、歩行訓練) を行う前に、膝周りの筋肉、膝裏の筋肉、太ももの前側と裏側の筋肉をマッサージと関節運動で整えます。

  
その後に股関節、膝関節、足関節の関節可動域訓練とストレッチを充分に行い、肩甲帯と腰部の張りをマッサージでほぐします。

  
次に介助をしながら、立ち上がり訓練を10回~30回、介助をせず自立した状態で立ち上がり訓練を10回~30回行い、そのまま歩行訓練に移ります。

  
歩行訓練以外では痛みは伴いませんが、歩行訓練の際に軽い膝の痛みが出ることがあり、調整をしながら、休まずに週2回40分~50分の訪問マッサージを継続しました。

  
リハビリの開始直後から、ご本人が自発的に、気が向かれた時に、手すりにつかまっての立ち上がり訓練を30回程度こなされるようになりました。


結果的にご本人が歩行器を利用して身近を自力で動き回れるようになり、大変お喜びになられていました。

  
  
  
  

下記は、変形性膝関節症に関連する記事です。

変形性膝関節症の身近な予防策と悪化防止策

変形性膝関節症リハビリと同等に大切であり、リハビリの一環として行うべきことに予防と悪化防止があります。予防と悪化防止をリハビリと同時進行で行うことが大切です。

  

➀ 日常生活に椅子を取り入れる

1つ目の変形性膝関節症の予防は、早い段階で日常生活に椅子を取り入れる事です。


若いうちは床から立ち上がる動作も良い運動ですが、ある程度年齢を重ねてくると、何度も立ち上がる動作は膝に大変な負担になります。


人によって立ち上がり方に癖 (右膝から立ち上がるなど) がありますが、片側の膝が変形性膝関節症になる要因としては、長年に渡って、繰り返し床から立ち上がる動作が大きく関係しています。

  
予防の観点からも、再発防止、悪化防止のためにも膝への負担軽減を目的に、日常生活に椅子を取り入れることは重要です。


※ 現在、毎日使用するトイレが和式である場合は、膝痛など身体に強い痛みや支障が出る前に洋式に変えることは、効果的であり重要な要素です。

  
  
  
  

➁ 大腿四頭筋 (太ももの前側の筋肉) を鍛える

大腿四頭筋を鍛える運動は、変形性膝関節症の予防や歩行レベルを上げていく過程でよく行われる、定番と言える有効な運動です。


その中でも、幅広い方々が安全にマイペースで行える具体的な方法として、リハビリの場で広く行われている方法が「椅子に腰かけた状態で、足首に1キロ~3キロ程度の砂袋を付けて (もしくは重り無し) 片足を自らの腰の高さまで上げる運動」です。


しっかりと足を伸ばしきることを意識して、片方の足を、上げて、下して、を繰り返します。

  
膝や腰に持病をもつ、70代~80代の方々のリハビリで、1キロ~3キロの重りを付けて、片側50回を目安に上げ下ろしを行います。

  
重りは無理に付ける必要はありませんし、最初は15回ずつなど、ゆっくりと自分の身体に馴染ませていきましょう。急ぐ必要はありません。


※ 現時点で、持病をお持ちの方は、医師にご相談の上、慎重に行ってください。

    
  

➂ 体重のコントロール

2つ目の変形性膝関節症の予防は、体重のコントロールです。2キロ程度の体重の違いも膝への負担に繋がります。

玄米、緑黄色野菜、果物、魚、肉などをバランスよく摂取して、無理をぜず、数キロ単位の体重のコントロールを行いましょう。

  
  
  
  

➃ 日常的に前屈運動を行う (腰・臀部・太ももの裏・膝裏を伸ばす)

3つ目の変形性膝関節症の予防は、日常的に前屈運動 (腰、臀部、太ももの裏、膝裏を伸ばす運動) を行うことです。前屈運動を日常的に行うことは、非常に効果的な予防となります。


人体は年齢と共に少しずつ重力に負けてきます。その結果、普通に立っていると思っていても、膝と腰が曲がっている状態にあります (前屈運動を継続して行っていると、腰と膝が曲がっている事実に気づきます)。


この膝と腰が正常の位置にないことが、膝や腰の痛み、その先の変形性膝関節症に直結していきます。

  
前屈運動を行う上で、必ず守るべきポイントとしては「前屈運動を行う際に、腰、臀部、太ももの裏、膝裏を常に意識しながら伸ばすこと」「日常的に行うこと」です。

  
前屈運動を行う際のスタンス (足を広げる幅) は自分が腰を伸ばしやすいスタンスで行い、現在の身体の状態に合わせて行います。

  
前屈運動を継続していくうちに、今の自分の腰や膝がどのような状態か、前屈運動が自分の身体にどのように影響しているのか、前屈運動の効果が分かってきます。

  
個人差はあると思いますが、前屈運動を1日に5分程度でも行えば充分に効果はありますのでマイペースで行ってみてください。


※ 現時点で持病をお持ちの方は、医師にご相談の上、慎重に行ってください。また、お身体の状態によっては前屈運動を行わない方がよい方もいらっしゃいます。決して無理をして行わないでください。

変形性膝関節症のリハビリと予防
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