訪問マッサージ事業の現状
2023年時点で、健康保険制度に基づいてサービスを提供している訪問マッサージ業者が各地域の在宅の現場に介入しています。
しかし、社会の中の事業としては未成熟な部分が多く、現状の訪問マッサージは大きな問題を抱えている状態にあります。
結論から言いますと、現在活動している、健康保険を利用して在宅でリハビリやマッサージを行う訪問マッサージ事業所は、介護事業者やケアマネージャーに対して、患者紹介料を支払う (リベート契約、キックバック) ことにより、ほとんどの集客を行っている事業所 (実際の施術時間が1回10分～20分) と、もしくは業務の内容によって通常の集客を行う事業所 (実際の施術時間が1回40分~60分) に分かれています。
※ 訪問マッサージの施術時間については、広告上は４０分などと宣伝している業者は散見されますが、そういった業者の中には、実際の施術時間は２０分～３０分程度で、訪問時間(玄関を入ってから玄関を出るまでの時間)が４０分程度である業者が多数存在しています。
現在の訪問マッサージ業界では、宣伝上の施術時間はまったくあてになりません。
悪質な訪問マッサージ業者が、どれだけ質の低いサービスを行っていたとしても、老人ホーム管理者やケアマネージャーに高額の紹介料を支払っている訪問マッサージ業者が、次から次へと患者の紹介を受けるという１つの大きな流れができています。
結果として、高額に上る紹介料を介護事業関係者やケアマネージャーに支払って集客を行う訪問マッサージ事業所では、サービスと人材の質が著しく低い実態があります。
実際に紹介料によって「仕事をやってもやらなくても次々と患者が紹介される」、「仕事をやらない方 (施術時間が短い方) が儲かる (訪問件数をこなせる) 」というあたりまえの結果を生んでいます。
紹介料 (リベート契約) によって集客を行う訪問マッサージ事業所では、ホームページなどの広告内容と業務内容の実態が著しく異なっているケースがきわめて多く見られます。
(施術時間が短い、実際にはリハビリといえることをほとんど行っていない、広告では全国で運営中とする訪問マッサージの営業所が、実際には２か所しかまともに運営していない等)
現状では老人ホーム管理者やケアマネージャーに対して患者紹介料の支払いを行っている訪問マッサージ事業所がきわめて多く、その中で、どこに対しても患者紹介料の支払いは行わず、サービスの質と自社ホームページ等で通常の集客を行っている訪問マッサージ事業所が存在しているという状態にあります。