国立リハビリテーションセンターの理学療法士

国立リハビリテーションセンターの理学療法士

私自身、在宅、介護の現場で働いてきた経験から、現場の在宅医や理学療法士と直に接してきました。

その在宅医や理学療法士を見ていると、税金(医療費)を使って、いくらなんでも、その仕事内容はないのではないか、と、感じ続けておりました。
下記の記事は、高齢者である島田とみ子さんが、自らが病院でリハビリを行っていたときの体験記と合わせて、現場の理学療法士の実態について記載しております。


引用元 : 島田とみ子『転んだあとの杖ー老いと障害とー』(未来社・2000年・123頁11行目以下)


私は自分の行動の範囲を広げたい、とひたすら願っている。そのためにリハビリで何とかしてほしいのだ。
理学療法士は言った。「あなたを誰が担当するか相談して決めねばなりません。いつからやるかということも合わせてお知らせしますから待って下さい」(中略)


定められた日に行くと、先日の療法士が担当であった。そして私に質問した。
「どんなリハビリをしたいのですか」


私は驚いた。よく歩けるためのリハビリの方法は、当然専門家である療法士が考えてくれるはずと思っていた。そこで、私は半ば出まかせに「腹筋や背筋を強くすること」と言った。(中略)

  
センターへは毎月曜日、二カ月間通って、1回30分足らずの訓練を受けた。その成果は特別にきいたとは思われなかったが、二カ月でセンターへの通院を自分で打ち切った。

  
訓練室はいつも閑散としていた。せいぜい5、6人の患者が訓練を受けているくらいで、うす暗い部屋には、私が慶応リハビリセンターで感じたような活気はなかった。これが有名な国立リハビリセンターか、という失望感をいまでもいだきつづけている。


医者も理学療法士もみな国家公務員であろう。そういう身分を保証された人たちが、民間の病院よりも楽な仕事をしている、と私の目には映ったのである。

  
  

上記の理学療法士は、リハビリの初日である島田さんに対して「どんなリハビリをしたいのですか」という言葉を投げかけています。


本当に患者に向き合い、リハビリの効果を考えていれば、患者の症状や体力によって行うリハビリメニューの大方は決まってきますので、上記の理学療法士はやる気がなく、島田さんに対してまともに向き合っていないことがうかがわれます。


「どんなリハビリをしたいのですか」と聞かれた島田さんは、半ば出まかせに「腹筋や背筋を強くすること」と返答し、その後、理学療法士は本当に島田さんの言うがままに、歴とした下肢の訓練や歩行訓練を行わず、マット運動を中心に、体幹 (腹筋、背筋) と下肢の運動を行うよう島田さんに指示を出してしまっています。

  
30分足らずのマット運動では当然効果がうすく、島田さんは二カ月で通院をやめています。

  
島田さんの歩行状態であれば、内容の濃い60分~の、基礎的なリハビリを行うのが通常です。何かしらの事情がない限り30分で終える理由はなく、理学療法士にやる気がないのは明らかです。

  
実際に島田さんは、以前かかっていた慶応リハビリセンターでは、理学療法士による60分程度の負荷の高いリハビリを行っていました。

  
島田さんが慶応リハビリセンターに通っていた当時は、いわゆる回復期にあたる時期だったようですが、島田さんの状態を考えれば、維持期も回復期もなく、受け入れたからには十分なリハビリテーションを提供するべきでしょう。

  
国立リハビリテーションセンターで島田さんを担当した理学療法士の立場になってみたとしても、島田さんの言葉として『訓練室はいつも閑散としていた。せいぜい5、6人の患者が訓練を受けているくらいで…..』とあるように、重篤な患者を優先していたわけでもなく、理学療法士が多忙で手が足りていないわけでもない様子がうかがえます。

  
(人員が足りていなくとも、自立して歩行ができる島田さんの状態であれば、いくらでもリハビリの方法があります)

  
リハビリテーションセンターの理学療法士として、島田さんの状態は保険を利用してリハビリを行う状態ではないと判断したわけでもなく、一旦は受け入れた島田さんに対して、効果的なリハビリを提供をするわけでもない。

  
結論づければ、先に島田さんの診察をした同じ国立リハビリテーションセンターの医者と同じく、この理学療法士も、やってもやらなくても給料は同じ、極めていい加減な仕事をしているに過ぎないお役所仕事であるということがうかがえます。

  
結果や過程があいまいに見える (ごまかしやすい) リハビリテーション業務は、手を抜きやすい仕事、ダレやすい仕事と言えます。

  
理学療法士の中には、わかりやすい「やりがい」を求めて、脳梗塞の後遺症などで重篤な状態にある患者のリハビリを行いたい。そういった場所で働きたい。急性期、回復期に関わりたいという、非常に安易な考えをもっている理学療法士が多く存在するのも事実です。

  
こういった理学療法士には、手抜きやサボりなどの悪意がなくとも、高齢者のリハビリに対するモチベーションが明らかに低くなっているケースが見られます。

  
結果的にモチベーションが下がった理学療法士には、高齢者のリハビリや在宅のリハビリを行う際、患者の回復力や気持ちがまったく見えていないことがあります。

(私自身が、在宅の現場の患者様やご家族から実際にお聞きした、多くの意見から言える事実です。こういった理学療法士は、本当に患者やご家族のことが見えておりません)

  
このような実情から、リハビリの効果を上げていくためには「自主性」が極めて重要な要素となります。「自主性」がなければ効果にも大きな影響が出ますし、医者や理学療法士の誤った判断、いい加減な判断に流されてしまいます。

  
リハビリは自らの身体で行うものですから、慣れてくるとメニューや量の判断は自分で行うことも可能になります。

  
自らリスク管理を行える状態であれば、自主性を重んじることが極めて高いリハビリ効果を発揮します。

  
その上で医者や、現場の理学療法士、看護師などの基本的なサポートや助言を受けながら、信頼関係を築いていくことが理想と考えます。

  
自主性は、上記の島田さんのように、いい加減な医者、やる気のない理学療法士、いい加減な対応、を見極める助けにもなり得ます。


リハビリテーションを行う際は、リハビリ専門の医者、理学療法士などを、介助者、アドバイザー程度として「活用する」ぐらいの心持ちで臨んでいただき、自分自身の自主性と実体験を重んじてリハビリテーションを行っていただくことも重要と考えます。

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