リベート契約の常態化による、長距離バス業界の質(バス運転手の質)の著しい低下によって引き起こされた軽井沢スキーバス転落事故 | 業界の従業員の質の低下とリベートの関連性
リベートの常態化による、従業員の著しい質の低下が直接の原因となり、重大な事故を引き起こした業界があります。
「軽井沢スキーバス転落事故」
この事故は、バス会社が「大型免許さえ保持していれば、運転技術や運転経験など問わない」と、運転手を募集し走らせた結果、招いた事故です。
バス会社が運転手の質を、最低ラインまで落とした理由は、リベート (旅行会社へ支払うバス利用者紹介料のばら撒き) に他なりません。
バス業界では、バス会社が旅行会社に、高額のリベート (自社バスを利用してもらうための紹介料) を納める慣習が出来上がっており、人件費、基本的なサービス費等の重大な経費を削ることでしか利益を出せない状況にありました。
当然、バス会社の経営に関わっていた経営者、管理者の罪は永遠に消えるものではありませんが、その罪と同等に、リベート額の露骨なつり上げを行い続けた旅行会社の罪は極めて重く、決して見逃してはいけない要素です。
リベート額のつり上げを行った旅行会社が転落事故を起こしたと言って間違いはありません。
事業者 (当事者、現場関係者であれば分かりきっていたはず) であれば、バス運転手の質の低下が、運転事故につながることは容易に想像がつきます。その程度の管理能力がなければ旅行会社を運営する資格はありません。
現実的には、バス会社はいつか事故が起こることも予想していたでしょうし、事故が起こったときにどうするか (どう逃げるか) も念頭にあったでしょう。
しかしバス会社が想像していた事故よりも、遥かに規模の大きな、取り返しのつかない事故が起こりました。
(軽井沢スキーバス転落事故では、まともに大型バスを運転できない高齢運転手が長距離バスの運転を行った結果、負傷者２６名、死者１５名を出す事故を起こしました)
この高齢の運転手は、大型免許は保持していましたが、大型バスの運転は苦手で「運転したくない」と発言していたことがわかっています。
誇張ではなく、在宅医療、介護の現場で機能訓練とマッサージを行う多くの訪問マッサージ事業所と介護事業所の間でも、上記バス会社、旅行会社と同じく患者紹介料のやりとりが行われ、あん摩マッサージ指圧師の人材の質が最低ラインに達しています。
在宅医療、介護の現場で、体位変換や、基本動作訓練の介助を行うことは相当な力と労力を必要とします。
しかし、リベートをばら撒いて集客を行い、サービスの充実、機能訓練の充実をうたう訪問マッサージ事業所の従業員は、在宅での施術経験がほとんどない高齢のマッサージ師や、新卒の小柄な女性マッサージ師が多く存在しており、危険な状態で (体力不足、経験不足) 「機能訓練、リハビリまがい」のことを行っている事業所が沢山あります。
そういった大多数の高齢マッサージ師や女性マッサージ師が実際の現場でとる行動は、体力不足と経験不足から極端に事故をおそれ、基本的なマッサージや機能訓練どころか、ベッドへの移乗や体位変換さえ行わない、もしくは、見栄を張って、危険を承知で、無理な介助や訓練を行ってしまうというのが実際です。
このように在宅の現場では、訪問マッサージ事業者のリベートのばら撒きによって、質の低い仕事が行われている実態があります。
今のところはリベートをばら撒く訪問マッサージ事業所も介護事業所と共同で儲けていますが、人材の質を最低ラインに落としている (あん摩マッサージ指圧師の免許さえもっていればいい) ところは長距離バスの事業所と同じです。
私自身は、完全に金儲けに特化した、並外れた無責任さをもつ訪問マッサージ事業者を沢山見てきました。
公になっていないだけで、在宅の現場 (密室) で、あん摩マッサージ指圧師による事故が多発しているのではないかと懸念しております。
※ 余談ですが、鍼の医療保険料を得ることと、宣伝を目的として、「在宅で行う鍼治療」を宣伝、広告している訪問鍼灸マッサージ事業所がありますが、鍼治療も危険が多い行為です。
その若さで鍼治療の臨床経験を積んでいるとは思えない鍼灸師が、在宅の現場で鍼治療を行っているケースも多くあります。「 (鍼を) 浅く打てば問題ないだろう」と考えていることが見え透いており、危険な状態にあります。
私は、在宅で療養されている高齢者に対して鍼治療を行うこと、そして、実際に在宅で鍼治療を行っている訪問鍼灸マッサージ事業所を危惧しています。