訪問マッサージの不正請求に大きく関連している往療費の按分について
※本記事では過去の訪問マッサージの往療費の按分について記載しております。2024年時点で訪問マッサージの往療費について制度変更がされておりますが、過去に、本記事に記載されている事実があったということを知っていただくために、本記事はそのまま残してあります。
訪問マッサージ事業所と老人ホームが共同で行う不正請求と、密接に関わっている医療保険制度上のルールがあります。そのルールが往療費の按分です。
不正請求を行う事業者は、1つの主な手口として、この往療費の按分のルールを破り不正請求を行っています。
訪問マッサージの往療費と往療費の按分について、簡単にご説明します。
税金である療養費を用いて、患者に対してリハビリやマッサージを1回行った場合の収益は、リハビリやマッサージなどの施術料が2000円程度に設定されています。
しかし、ご自宅や施設への往療費が3000円程度と高額に設定されており、1回往療した場合の収益が、施術料+往診料の合計で5000円程度に設定されています。(分かりやすくご説明するために、数字は大まかな平均値で表しています)
このように健康保険を使用した訪問マッサージの収益は往療費が高額に設定されています。
本来この高額の往療費は、マッサージ師が、遠方にある個人宅や老人ホームに、電車、自転車、バイク、車などで移動して往療した場合か 、もしくは、同じ敷地内にあるマンションの別宅に「徒歩で移動して往療した場合」であれば、往療1回につき2000円~3000円程度の往療費が算定されます。
しかし、1人のマッサージ師が、老人ホームへの1回の往療で、同じ老人ホーム内に入居している患者6名に対して一挙にマッサージをして、6人分の往療費を算定することは、当然固く禁じられています。